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踊りつづけるしかない

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2009年 08月 06日

音もなくシステマティックに

一日でいちばん影が短くなる時間帯、
都会の歩道にはどこにも逃げ場がなく、
太陽とアスファルトと蝉の声が肌をじりじりと焼いた

ギラッと反射するものがあった
死んだカナブンの腹だった
高層ビルのわきの木や植え込みに集まってきたのか
地面には異様にたくさんのカナブンの死骸が転がっていて
それが歩をすすめるごとにそこここでギラッギラッと光った
蟻も集まっていた

平日、真夏、真っ昼間、
暑さからとっとと逃れたかったり、早いとこお昼を済ませてしまおうという人々が
足早に行き交う足元で、音もなくシステマティックに生命のやりとりは進行していた

by in_y | 2009-08-06 02:38


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